「らちが、あかないわ」
凛々子は、ため息をはいた。
自分が捜し続けている、あなたに会えない。
あまりにも、人の数と、悪ぶるやつらが多いからだ。
「しかたがない。…」
凛々子は、深呼吸して目を閉じた。

口の中で何かを唱えると、凛々子の体からブラック色の気体がゆっくりとうき上がってきた。

その時、
「よう!あんたもまものかい?」

凛々子は、その言葉に、呪文を唱えることをやめて、声をかけてきた男性を見つめた。
「そうよ。」
「やたら力をだすと、人のなんたらとかいうやつらに、狩られるぞ。」
男は、にたにた笑いいうと、凛々子は、鼻で笑った。
「そんなもの、こわくもないわ。」

「強気だな。」
「狩るならかってみればいい。」
凛々子は、目を閉じ再び呪文を唱え始めた。