「あのかたの居場所を知りたい。」
リリスはキドにたずねたキドは首をふり知らぬと答えた。
「まだ言葉がもどらぬのか?」
リリスの問いかけにキドはこくりとうなずいた。
「…用心なさっているということか…」
リリスは遠くを見つめた。キドは黙ったままリリスを見つめた。
「キド、そなた…
我とともにくるか?」
リリスは、真後ろにいた、キドを見つめた。
そのことばを聞くとキドはブンブンと首を立てにふり、喜びをあらわした。
「かすかに感じる気配だけ…」
キドは、首をかしげた。
「あのかたは、
我の気を感じたはず
なのに…」
リリスは、たち上がり、夜の街をながめみた。
「リ…リス様…」
キドはたどたどしくリリスに言葉をかけた。
「キド、がいけんでは、わからぬものね。
悪ふざけをしていても、ただの格好づけ。」

「本当に人間は…」

「…」
「…」
二魔は沈黙を続けた。

!!?
二魔は、体をビクッとさせた。
「きたのね?」

リリスはかすかに笑った。