「我が名は、リリス。」凛々子いいえ、もうリリスと呼ぶがふさわしいようだ。
リリスは、魔物の姿に変えた、男にそう答えると、男はひざまづき
「ぶ、ぶれいな、ものいいをいたしました。」
丸くなるように、深々と、頭を地面につけた。

リリスは、なぜか男を見つめず、遠くをみていた。
「飛べる?」
リリスは、ボソリつぶやいた。
男は、そっと、頭をあげちらっと、リリスを見つめた。

「そなたにはききたい。ことがある。」
リリスは、男を見た。
「ナニヲ?」
男は、魔物姿に変わったために、人の言葉がうまく話せなりつつあった。「そなたは、上級ではないようね。」
リリスの言葉に、男は、コクコクとうなずいた。「ここで、人間の相手をしている時間はないの。」
「カリビトがくる?」
男は、リリスの問いかけを察知し慌てふためき始めた。
「仕方がないわ、派手に力を解き放ったから」
リリスは、表情をかえない。
「トベマス。」
男は、羽根を広げた。
リリスは、それをみると自分自身の羽根を広げ始めた。
「名を教えなさい。」
男にたずねた。
「キド」
男は、そうこたえた。
「キド、ついてきなさい」
リリスは、羽根を羽ばたかせ空へ上がった。
キドも続き舞い上がった。
二魔が去った後、静寂となった地上に、数人の影がより集まったが、あとの祭りだった