「バカウケ」
清二(せいじ)は、ケラケラと笑いっぱなしだ。
「そんなに楽しい?」
凛々子(りりこ)は、冷淡にきく。
「うん、あいつら、ばかみていにあわてふためいていて、笑えるだろ。」
清二は、街中にいた気がよわそうな少年を見つけては、そっと後ろに近づき、ナイフでベルトを切りズボンが落ちてしまい、突然の出来事であわてふためく姿を見ては、笑い者してわらっていた。
「…」
凛々子はあきれ顔でだまって清二を見つめる

「なんだよ。おまえが、なにかおもしろいことしてくれといっただろう?」
清二は、凛々子を見た。
「…」
凛々子は、清二を見るのをやめ、前に視線を送った。
「…い」
凛々子は、口のなかでつぶやく。
「?」
清二には聞こえていない
凛々子は、黙ってその場をはなれようとした。
「凛々子?」
清二は、凛々子を呼び止めた。
凛々子は、ふりかえることなく、つぶやいた。
「つまらない」
清二は、まずいと思い、凛々子により肩に手をおいた。
「そうか?だったほかのことしょうぜ」

「ひとりですれば、
帰るね」
凛々子は、振り向くことなく歩きだした。

清二は、ムカつきを顔に出し凛々子の肩をつかんだ
「なんだよ!おまえ」