「お客さん、終電ですよ」
夜もふけてきた時間、僕は駅員に起こされた。電車内で眠ってしまったようだ。

僕は駅から出るともう誰も歩いていない。
やれやれ、本当は2つ前の駅で降りるはずだったのに。

泊まるにも金がないことだし、仕方がないからその辺で朝になるまで時間をつぶすか、

と僕はあてもなく歩き出した。