「ようこそおいでなさいました。奥でぼっちゃまがお待ちです」
使用人の初老の男性が二人を案内する。

「ぼっちゃまは、たいへん興味を示しておりまして、是非協力したいとのことです」

「はあ…子どもの遊びじゃないんだがなぁ…」
芦原警部は頭をかいた。
「ゆとり世代なんか、そんなもんですよ」
東が、毒づく。

「おぼっちゃま、警察のかたが来ましたですぞい」

「あーわかった。入ってもらってよ」
無愛想な声が聞こえる。
「ども、こんちわっ」
と、知恵の輪をいじりながらその青年は答える。

はぁ、とうんざりしたようすの二人。