「ジュリアって知ってる?」


得意げに話してきたキミに



「紅茶色のバラでしょう?」


得意げに答えるあたし



大きいキミが肩を落として落ち込む姿は


なんだか笑えて

……愛おしかった



だからジュリアがどうしたのか聞いたの



そうしたらキミは嬉しそうに


「綺麗だったから買ってきた」


と男の人なのに恥ずかしがらずに言ったんだったね



キミが花を好きだと言うこと


ここではあたししか知らない




無邪気なキミにあたしは溺れている


ジュリアも幸せだったでしょう?


毎日水を替えてくれて


長く生きていてほしいからと十円玉までいれるキミに


ジュリアもきっと溺れていたはず