それを見た瞬間、あたしは駆け出した。 少し音を出したので二人に気づかれたかもしれない。 でも、 そんな事を気にしている余裕なんてその時のあたしには全くなかった。 部屋に駆け込み、ベッドに身を投げて声を押し殺してひたすら泣いた。 水色の枕が濃いブルーへと変色していく。 ――『ぼく、さやちゃん大好き』 ――『結婚するんだもんね』 ――『ねー』 ――『約束』 ――『約束』 嘘つき 嘘つき ウソツキ…