はっと目を覚ますと、タクシーのおじさんが心配そうに私を起こしていた。
夢を見ていた事に気がついた私はタクシーにお金を払い、急いで車から降りた。
あの声は誰だったんだろう?
懐かしい声だったな。
さっき見た夢を思い出していると、目の前に豪華な三ツ星ホテルがそびえ立つ。
今更になって緊張するなぁ。
高級感溢れたホテルの前に立つとドアマンが笑顔でお出迎え。
足を踏み入れると、広いロビーに真っ赤な絨毯が一面に敷かれ、上を見上げるとシャンデリアがキラキラしている。
うわぁ凄い豪華。
ワクワクしていた気持ちは、いつしかドキドキに変わった。
ボーイに声をかけ、レストランまで案内してもらう。
たどり着いたら、受付を済ませ、会場入口へ。
10年ぶり…緊張する。
入口に立っていたドアマンがゆっくりドアを開けると、そこには懐かしい顔をした大勢の同級生達が懐かしそうに話している。
辺りをキョロキョロ見渡していると、
「あっサユリ!」
クミが私に気がつき、傍へ駆け寄る。
