「バスケ部の遠藤タクミだよ」
「バスケ・・・あっ」
「やっとわかった?」
「うん。バスケ王子遠藤君」
えんちゃんにヒントを貰ってやっと誰だかわかった私は、とっさに周りの女子から呼ばれてたあだ名で呼ぶ。
「アハハハハ、何それ?」
「昔のあだ名」
「変わったあだ名だな。てかサユリちゃんと三年間クラス一緒だったんだから覚えとけよな」
「クラス一緒でもあの時あんまり喋らなかったじゃん」
「えー?喋ったじゃん。覚えてないの?」
確かにえんちゃんとは三年間同じクラスだったけど、正直、話した記憶がない。
悩んだ顔をしてえんちゃんの顔をチラッとみる。
「ほら、席替えで隣の席になったとき僕が教科書忘れてみせてくれたじゃん」
