綺麗で大人っぽいリンちゃんの魅力が、鼻かみで一気に失われる
「もうっ! 陽菜ちゃんは良い人すぎ。私が泣きたくなるじゃないの」
すでに涙を目に浮かべているリンちゃんが、子供の叱る母親のように『めっ』と目に力を入れた
『愁、何時に終わるの?』
あたしの背後で、しぃちゃんの声が聞こえてきた
「うわっ。今の聞いた? 絶対、陽菜ちゃんを意識して大きな声で言ったよ? 必要以上に大きな声で言わなくてもいいっつうのに」
リンちゃんが、不機嫌な声でブツブツと文句を言い始めた
「いいんだって。もともとしぃちゃんたちは付き合ってたんだよ?」
「別れたじゃん。陽菜ちゃんのほうがいいって、越智君がはっきりと言ったのに。最近は、また笹原さんと仲良くしちゃってさあ。意味わかんなーい」
リンちゃんが、納得いかないのよ!と腕を組んでしぃちゃんが居る方向を睨んだ
あたしはリンちゃんを見ると、ふっと微笑んだ
ポケットに手を入れたあたしは、がさっと何か手にぶつかるものがあった
何だろ?
いつもは、何も入ってないのに
あたしは肩にかかっている越智君のジャージのポケットの中にある紙を掴むと、ポケットの外に出した
『退部届』
封筒の表面に書かれてある文字を見て、あたしは目を大きく見開いた
「え?」
どうして? 越智君、陸上を辞めちゃうの?
あたしは振り返ると、しぃちゃんに近づこうとしている越智君の背中を見つめた
越智君、しぃちゃんと寄りを戻すつもりでいるのかな?
部活も……大変だもんね
医学部を目指して勉強している越智君にとったら……
「もうっ! 陽菜ちゃんは良い人すぎ。私が泣きたくなるじゃないの」
すでに涙を目に浮かべているリンちゃんが、子供の叱る母親のように『めっ』と目に力を入れた
『愁、何時に終わるの?』
あたしの背後で、しぃちゃんの声が聞こえてきた
「うわっ。今の聞いた? 絶対、陽菜ちゃんを意識して大きな声で言ったよ? 必要以上に大きな声で言わなくてもいいっつうのに」
リンちゃんが、不機嫌な声でブツブツと文句を言い始めた
「いいんだって。もともとしぃちゃんたちは付き合ってたんだよ?」
「別れたじゃん。陽菜ちゃんのほうがいいって、越智君がはっきりと言ったのに。最近は、また笹原さんと仲良くしちゃってさあ。意味わかんなーい」
リンちゃんが、納得いかないのよ!と腕を組んでしぃちゃんが居る方向を睨んだ
あたしはリンちゃんを見ると、ふっと微笑んだ
ポケットに手を入れたあたしは、がさっと何か手にぶつかるものがあった
何だろ?
いつもは、何も入ってないのに
あたしは肩にかかっている越智君のジャージのポケットの中にある紙を掴むと、ポケットの外に出した
『退部届』
封筒の表面に書かれてある文字を見て、あたしは目を大きく見開いた
「え?」
どうして? 越智君、陸上を辞めちゃうの?
あたしは振り返ると、しぃちゃんに近づこうとしている越智君の背中を見つめた
越智君、しぃちゃんと寄りを戻すつもりでいるのかな?
部活も……大変だもんね
医学部を目指して勉強している越智君にとったら……


