君を愛す ただ君を……

ファミレスを出ると、佐久間が俺の手を握ってくる

アパートに到着するまでの5分、佐久間の温かい手に俺はドキドキした

正直、びっくりしてるんだ

佐久間が俺に甘えたいって言ってきたのに…驚いている

なんでだろう?

どうしてだろう?

疑問は浮かんでは、未消化のまま消えていく

佐久間はライが好きなはず

まあ、どんなにライを想っていても、佐久間には春が訪れないのは俺も佐久間も承知の上なんだけど

だからって気持ちって簡単に切り替えられないだろ?

俺だってなかなか切り替えられなかった

詩織を忘れるのに、年月を費やした

詩織が何も言わずに姿を消して、空っぽになった俺を正気にさせてくれたのが、バスケ…なんだよな

もう一度、バスケをする

その目標があったから、俺はここまでこれたんだと思う

「ねえ、佐山」

「ん?」

アパートの部屋の前まで来ると、佐久間が俺の腕に絡みついた

「私と付き合って」

「…なあ、佐久間。どうしたんだよ、急に。お前らしくないなあ」

俺は部屋の鍵を開けてから、佐山の頭を撫でた

佐山が俺の腕を振り払うと、俺より先に部屋に入って行った

無言で俺のベットに座ると、いきなり服を脱ぎ始めた

「ちょ…佐久間っ。何してんだよ」

「何って、エッチすんの」

「佐久間、待てよ。どうしたんだよ」

「別に」

佐久間がぷいっと横を向いた

目が赤いのは、もしかして泣きそうになっているのか?