君を愛す ただ君を……

「ライが、そういう恋愛をするなんて驚いたけど…ロッカーで私に言った言葉の意味がわかったよ」

佐久間が少し寂しそうに微笑んだ

「ロッカーで?」

「『離れている時間のほうが長くて、頭がどうにかなりそうだ』って。私たちにはそういうのなかったね。私が一方的すぎて、ライがそれに付き合うって感じで。心の距離が違うなあって」

俺は佐久間の頭を撫でた

「ごめんな。俺、ちゃんと佐久間を好きだったよ。あのときの俺なりに、佐久間を大切にしてた。守りたいと思ってた」

「…うん」

佐久間がずずっと鼻を啜ると、涙をこぼした

「ライが必死に永田さんを追いかける姿を見るのは、辛いけど…応援するから」

「サンキュ」

「夏の大会で、怪我しないでよ。毎年、必ず怪我をして入院するんだから」

「気をつける」

佐久間が涙を指で拭くと歩き出した

俺は佐久間の後ろを歩く

「湿布に限りがあるんだからね! 怪我しても…困るんだから」

「…わかってるよ。何回目の大会だと思ってるんだよ」

「3回目。いい加減、学習しなさいよ」

「それなら、そっちだろ。学習して湿布の量を増やせよ」

「嫌よ。重たいんだから」

佐久間がにやりと笑った

俺もつられて笑う

佐久間の笑った顔を俺は久々に見た