君を愛す ただ君を……

「ギリギリってとこかぁ?」

俺は待ち合わせ場所につくと、大きく息を吐き出した

待ち合わせの時間は10分をきっている

10分前には到着できる予定だったのに、俺の中では数分の遅刻ってところか

女性の遅刻は許されるけど、男の遅刻は有り得ない

男は待ち合わせ時間の10分前には到着して、女性を待つ

それが俺の中にある決まりごとだ

俺の中っていうか…親父から教わったルールというか

親父は男には厳しいからなあ

女には甘すぎるけど

とくに妹には甘すぎる

絶対に怒らない

実家に帰るたびに弟が、扱いが違うってぼやいてるよ

俺は小走りで近づいてくる女性に気がついて、横を見るとその女性が凛だった

走らなくていいのに

まだ待ち合わせの時間まで、5分もあるのに

俺は腕時計で、時間を確認する

可愛いな、俺が待ってるってだけで走ってくるなんて

「すみません。お待たせしてしまいましたか?」

凛が携帯で時間を確認してから頭をさげた

「いえ…まだ約束の時間より5分も早いですから」

俺はもう一度時計に視線を落とした

5時過ぎに行くって、佐久間に言ったけど、これなら5時ちょうどには飲み屋に着くな

まあ、何時に行こうが関係ないんだろうけど