君を愛す ただ君を……

「手伝います」

レジを離れた俺は返却カートから青い袋を出して、DVDやCDを出していった

「あたし、見合いだったんですよ。母親に無理やり…あの人と結婚すれば絶対に幸せになるからって言われて…でも、全然幸せになった気がしないんですよね。家にいても一人だし、やることないし。それでバイトを始めてみたんです。大学も行きそびれちゃったし…サークルとかやってみたかったなあって」

知ってるよ…見合いしているのは

全然、幸せになった気がしないなんて…そんな悲しいこと言うなよ

俺が幸せにしてやるって思いたくなるじゃないか

あんな男より、俺のほうが良い男だって見せたくなる

俺、結構、モテるんだよって思わず口にしたくなる

サークルかぁ…

バスケの飲み会があるけど…誘ったら凛は来てくれるだろうか

旦那がいつ帰ってくるかわからない家に帰ってしまうのだろうか?

「今夜、飲み会があるけど……来てみますか?」

俺はいろいろと考え込む前に、口が勝手に凛を誘っていた

「え?」

凛が驚いた顔をする

もしかして俺は、凛を困らせるようなことを知ってしまったのか?

「サークルの飲みです。永田さんが良ければ…ですけど」

慌てて、俺は断りやすいように言葉添えもした

「いいんですか?」

凛の顔が、ぱっと明るくなるのがわかった

「いいですよ。どうせ男ばっかですけど」

俺こそ、いいのって聞きたいくらいだよ

旦那がいるのに…誘っちゃっていいの?

俺、もっと一緒いたいんだ

バスケの飲みがきっかけでもいい

一緒にいられるなら、凛と仲良くなれるなら…俺、どんな理由でもきっかけでも考えるよ

「じゃあ、5時に駅の改札で待ち合わせでいいですか?」

「本当にいいんですか?」

「いいですよ」

凛と同じ空間に入れる場所が一つ増えた