君を愛す ただ君を……

凛と再会ができたのは、それから3カ月も先だった

夏の大会が近付いてきた頃…夜の練習がきつくなるのを予想して、大学の授業の合間にバイトを入れるようにしたときのことだ

びっくりした

驚いた

どうしてここにあの子が?

なんで同じバイトをしているのだろう

疑問ばかりが俺の頭を支配する

声をかけるなんて…全くできなかった

あの子が近くに来るたびに、有り得ないくらい心臓が早くなった

ガンガンと、頭に鼓動の音が響いてくる

俺に何が起きたと言うんだろう

こんな風に、誰かを見て、心臓が反応するなんてなかった

あの子が近くに居る

それだけ異常に喉が渇き、唾が大量に出てくる

『ごくっ』と飲み込む音を聞かれてしまうんじゃないかと、意識している自分が恥ずかしかった

やっとの思いで見たネームプレートには『永田』と書いてあった

『越智』から『永田』に変わったんだ

医者の妻になったんだな、やっぱり…

名前を見ただけで、がっくりと肩を落とす

かなり凹んでる俺自身に、思わず笑いたくなる

どこかで期待してた

結婚をしたくなくて…家を出ていったなんてことはないのか…なんて

左の薬指を見て、結婚をしてるってわかっているのに、無駄な想像をして、勝手に凹んでる