君を愛す ただ君を……

佐久間と別れてから3カ月も過ぎたころ俺のアパートに、佐山が遊びに来た

遊びに来た…というよりも、飲み会で終電を逃したというべきなのだろう

「なあ、ライってさ。佐久間と別れたんだろ?」

「ああ。別れた」

俺はコーヒーを入れたマグカップを二つ持って、テーブルに近づいていく

佐山が「サンキュ」と言いながら、マグカップの一つを受け取ると、ずずっと口の中にコーヒーを流し込んだ

「めずらしくね?」

「何が?」

「まだ次の女がいないのが」

「そうか?」

「そうだよ。高校んときから、お前を知ってるけど。別れてから1週間以内には次のがいるだろ」

俺は視線を上にすると、「確かに」と呟いた

「どうしたんだよ。まさか…モテ期が終わったか?」

「告白はされる。だけど全部断ってるだけだ」

「どうして?」

佐山が信じられないと言わんばかりに目を丸くした

「次はバスケを知らない女がいい」

「なんだそりゃ?」

佐山が不思議そうな顔をした

「告白してくる女より、俺が告白したいと思った女と付き合うことにした」

佐山がにやっと笑うと、マグカップをテーブルの上に置いた

「んで、3カ月の禁欲生活か」

「別にもともと強いほうじゃないから」

「よく言うよなあ。飲み屋の二階でこそこそとヤッてたヤツが」

「佐久間が誘うから」

「へいへい」

佐山が聞きたくねえよと言わんばかりに、手を振った