君を愛す ただ君を……

「ねっ、お願い! 話しさせてよ」

綾芽が俺のジャージの裾を掴む

「やめてくれ。話すことはないだろ」

「私はある」

俺は足を止めると、綾芽を見た

「言い訳を聞くつもりはない」

「どうして…そうなの? どんどん一人で先に行っちゃう。私ってなに?」

「それは俺のセリフだろ? 佐久間を彼女だと思ってた。あの電話で男の声を聞くまでは」

「ライ…だから、あれは…」

「言い訳は聞かない。聞いても何もならないだろ。俺と佐久間は終わった」

「寂しいの。いつもいつもライの中はバスケだらけで…少しも私のことを考えてくれてない」

違うだろ

考えてた

綾芽がつらいときは傍にいてやろうって思ってた

メールがくれば、どんなに時間が過ぎていようとも返信したし

夜中に綾芽が電話してきたって、眠いけど…電話に出て話をしただろ?

それじゃ駄目なのか?

俺は、バスケ中心の生活を応援し、支えてくれる女を求めてる

バスケに集中しても、ふと疲れた時…凹んだときに支えてくれる…無条件に手を広げて甘えさせてくれる女を求めてた

俺のそばで、バスケを見てる佐久間ならその気持ちが伝わってくれる…って思ったけど

それは俺の独り善がりだったのか?

違ったのか?