君を愛す ただ君を……

一人がいいくせに、一人が寂しい

矛盾してるよな

バスケ中心の生活に戻れて嬉しいはずなのに、恋人がいないっていうのは心の中にぽっかりと穴が開いたように気がする

だからって、綾芽と関係をもとに戻すつもりは全くない

俺を裏切った女に、興味も関心ももうない

だけど、ああ、俺は一人だ…と思うのもまた寂しいもんだ

「お願い! 私の話も聞いてよ、ライっ」

バスケの練習が終わってから、綾芽が俺の腕を掴んできた

「離せよ、佐久間。俺、これからバイトなんだ」

俺は綾芽の腕を振り払う

「バイト? やってたっけ? 私、知らないけど」

知らなくて当然

綾芽と別れてから、バイトを始めたんだ

次は俺を知らない女性と知り合う

そこから始めなくちゃ…次の恋愛にいけない

そんな気がしたから

バスケとは無縁なところで…と、思ってバイトを始めた

すぐに誰かと恋愛をしたいわけじゃない

ただバスケを知らない知り合いを作りたいと思った

俺をバスケの天才だとは思ってない人たちを……