君を愛す ただ君を……

『ライ、ここ最近、冷たくない?』

わからない…のメールの返事が『冷たい』ときた

ダンベルを持った手を一度下ろすと、また携帯を持つ

次、送ったら電源を切ろう

そう心に決めながら、綾芽のメールを眺めた

どうして女は、いつもこうなのだろう

俺のバスケ姿に惚れて、付き合いたいと熱く語り、そして押し倒してくる

俺のバスケに惚れて付き合ったのに、仲が深くなるとバスケに嫉妬する

そもそもそこが面倒なんだ

バスケをする俺に惚れておきながら、なんでバスケに嫉妬をするんだ?

おかしいだろ

コートを走る俺を見るのに、コートを走るための努力を見ようとしない

晴れ舞台に立つ俺には、熱く応援するのに、影の努力を応援してくれない

冷たいのはそっちだろ…とか思う

俺と会いたいとか言ってるくせに、バスケの成績が落ちれば、「なんで?」と言わんばかりの顔をするのに

成績をあげようとトレーニング強化をして、デートをキャンセルとすると、今度は「バスケと私、どっちが大事なの?」なんて言葉が飛んでくる

いい加減にしてくれって思う

『怪我で体力が落ちてる。今、頑張らないと次の練習試合に出られない。俺には今、トレーニングが必要なんだ』

これでわかってくれよ

俺はメールを送信すると、電源を切った

俺は皆が言う『天才』なんかじゃない

『才能』だってないんだ

ただバスケで勝つ喜び、楽しみを知ってるから…勝つために努力しているだけだ

『天才』っていうのは、努力をしなくても、できるヤツのことを言うんだよ