君を愛す ただ君を……

『ねえ、次はいつデートできるの? ライと会いたい』

会ってるじゃん、バスケの練習んときに

アパートに帰ってきた俺は、即効シャワーを浴びた

ベランダで汗だくになったジャージとシャツ、下着が洗濯機の中で洗濯中である

ガラガラとなる音を聞きながら、俺はシャツとボクサーパンツの姿で、テーブルの上に置きっぱなしになっている携帯を見ていた

メールと着信ともに1件ずつ

綾芽からだった

面倒くせぇーな

俺は、シングルベットに座ると、濡れた髪のまま壁に寄りかかった

トレーニング中は絶対に携帯を見ない

走りに行くときは、携帯を持っていかず、家の中で筋力トレーニングをするときは、携帯の電源を切って、見えないところに置く

それが俺の中で決めているルール

じゃないと着信の音で、集中が切れる

この筋肉を鍛えようと思って、イメージしつつ、集中しているときに妨げられるのが嫌なんだ

好きな音楽を聞き、ひたすら自分の限界を伸ばしていく

『次はいつ?』とか『会いたい』とか、面倒なフレーズだと思わないか?

俺は、心の中にいる自分自身に問いかけた

電話で『今、何しているの?』って聞かれるのも嫌いだけど

付き合っている女ほど、俺が何をしているのか気にしたがる

何って、電話に出てんじゃんって思う

出られない状況なら、出ないだろって思わず言いたくなる

バスケのメンバーでも、そうでなくても…恋人ができると生活がみな、ガラリとかわる

それまでバスケ中心だった生活が、彼女中心になる

練習の後にデートがある…なんてなれば、部活で使うエネルギーをセーブして、彼女とのデートにまわす

俺にはそれが理解できない

恋人ができたからって、己の生活リズムを変更する意味があるのか?

俺はまた携帯の画面を見て、綾芽のメールに返事をした

『わからない』

それだけを送ると、俺は部屋の隅に置いてあるダンベルを取りに行った