君を愛す ただ君を……

「はあ…はあ…はあ…」

俺は滴り落ちてくる汗を、ジャージの袖で拭った

くそっ…大分、筋力が落ちていやがる

骨折して入院してから、半年が過ぎて、俺はまた怪我をして部活を休んでいた

捻挫って一度やると、癖になるんだよなあ

また放っておいて、練習をしていたら…悪化した

病院に通って、なんとか歩けるくらいにはなったけど…筋肉がすっかり落ちてる

体力が全然ない

ランニングをしても、たった電車で二駅程度の距離が息があがり、足の筋肉に限界がきている

こりゃ、今夜には筋肉痛確定だな

別に筋肉痛くらいならいいけど…これからまた同じ距離を走って帰るのが面倒だ

頬を流れてきた汗をまた、袖口で拭うを俺はくいっと顔をあげた

あれ…あの子…

反対側の歩道を歩いている女性に俺は、目を奪われた

一目でわかった

病室で、母親に見合いを勧められていたあの子だ

花柄の可愛いバックに、買った食品を詰め込んで細い腕で持っていた

左手の薬指に思わず視線がいく

きらりと光るシルバーの指輪が見える

そっか、結婚したんだ

やっぱ、逆らえなかったか

それとも見合い相手が、好みのタイプだったのかな?

ここら辺に住んでるのかな?

俺は、まわりに見えるマンション街を見渡した