君を愛す ただ君を……

「ねえ、退院したらさ…どっかデートしない?」

綾芽が、ベッドに両手をついてくると俺に聞いてくる

上目づかいで、若干胸の谷間が見えるように、シャツをさり気無く下げている

俺は窓に視線をやると、白い雲を見つめた

「次の大会が近いから…ちょっと無理だな」

「どうして?」

「リハビリして、すぐに練習に参加できるようにしないと」

「ライなら平気だって」

平気じゃない

こんな動かない生活をしていたら、筋力はガタ落ちだ

毎日鍛えてきていても、たった3日で元通りだ

サボったらそこでアウト…てことは、ここで入院している間にどんどん筋力は衰え、俺の身体はバスケ生活からどんどんと離れていっている

退院したら、少しずつ体力づくりをして、筋力を前の状態にまで持ってこないといけないんだ

そう考えたら、デートなんてしている時間は俺にはない

「バスケの練習…どうだ? 練習試合とかの予定は入ってるの?」

俺の質問に、綾芽の顔色が曇る

「どうかな。私、よくわかんない」

ぷいっと横を向いた

早く退院したい

早く筋力を元に戻したいよ

俺はそう思いながらも、制服の女の子を思い出していた

あの子、どんなヤツと見合いをするんだろう

不細工な男だったら、辛いだろうなあ

いくら将来有望だって言われても、好きでも男と結婚するだけも嫌なのに、好みのタイプじゃなかったら……最悪だろ