君を愛す ただ君を……

「ちゃんと湿布を貼ってたの?」

「まあ…一応」

「じゃあなんで?」

「どこからか情報が漏れてるようで、俺の右足を執拗に狙ってくるから」

「何…やってるのよ!」

「バスケの試合」

「そういう意味じゃなくて…」

お兄ちゃんが、立ち上がると莱斗さんの顔を見た

「もしかして…君、テレビの人?」

「は?」

お兄ちゃんの意味不明な質問に、莱斗さんが首を傾げた

「あ…いや、アキさんが『テレビに出るバスケの選手で、めっちゃイケメン男子に凛ちゃんがメロメロ』っつって意味不明な電話を夜中にかけてくるから」

お兄ちゃんが恥ずかしそうに喉を鳴らした

莱斗さんが、口を緩めて微笑んだ

なんかすごく嬉しそうな顔をしている

「凛、看護師に頼んで車いすを出してもらって」

お兄ちゃんがあたしに声をかける

「これじゃあ、歩くのも大変だっただろ?」

莱斗さんに顔を向けたお兄ちゃんが、にこっと笑った

「はい。辛かったです。でもまあ、痛がってもまわりに迷惑かけるだけなので」

莱斗さんがペコっと頭を振った

あたしは自動ドアに身体を向けると、「話しは終わってないわよ」とママの低い声に呼びとめられた

「終わってるよ。凛はあのバカと離婚をする。んで…彼と付き合う。それでいいだろ」

お兄ちゃんがママを睨んだ

「良くないわよ。凛はまだ若いのよ。離婚なんて…」

「若いからいくらでも人生の修正ができるんだろ」

お兄ちゃんの言葉に、ママが唇をかみしめた