君を愛す ただ君を……

「莱斗さん……」

あたしは、ママをまっすぐに見つめている莱斗さんの腕にそっと手を置いた

ママには、理屈は通用しないよ

ママにとって、子供は操り人形と同じなんだから

お兄ちゃんが上手に操れなくなったママには、あたししかいなくて

あたしがパパと同じように浮気しているって知ったら…

「凛っ! どういうこと? 貴方は結婚をしているのよ? 圭輔君という将来有望な男性と……浮気されたからって仕返したいって気持ちならわかるけど…付き合ってるどういうこと?」

「それは…だから」

あたしが下を向くと、莱斗さんがあたしの手をそっと握ってくれる

「本当に将来が有望ですか? 凛の後ろ盾を気にして、離婚したくないとほざく男が?
女性に手をあげる男が、本当に凛にとって幸せになれる人生を示せるんですかね? 俺、今はしがない学生ですけど、凛を幸せにすることなら、凛の旦那より自信がありますよ。一応、将来有望視されてますし」

「お金も稼げないうちから、有望視って。自信過剰も良いところよ」

ママが、口に手をあてて高笑いをする

ママは知らないから…莱斗さんがどんなに人気のある人で、どんなに凄い人なのか

本当にすごい人なんだよ?

「凛、なかなか来ないから……」

自動ドアから出てきたお兄ちゃんが、あたしに声をかけてきた

ゆっくりと横を視線を動かして、ママを目視するとため息をついた

「またあんたかよ」

白衣のポケットに手を突っ込んで、お兄ちゃんがあからさまに嫌な顔をした