君を愛す ただ君を……

決勝戦も、あたしはアキさんと一緒にテレビで見た

苦戦を強いられる試合だったけど、4点差で莱斗さんの大学が優勝した

また海堂オーナーが観戦しに来ていたみたいで、莱斗さんが声をかけられているシーンがテレビに映っていた

まるで遠い人

バイトを一緒にしたり、飲み会に連れて行ってくれたり……まるであたしの隣に居る人は、テレビで見る莱斗さんとは別人のような気がしてしまう

試合が終わって30分後に、莱斗さんからメールが届いた

『これから新幹線で帰るよ。凛の実家の病院って、何時まで外来やってるんだっけ?』

『確か5時まで。夜間外来なら、割高になっちゃうけど7時までだった気がする』

『そっか。ありがと。たぶん、7時前には行けると思う』

『酷いの?』

『まあ、酷使したからね。ちょっと腫れが悪化して、靴が入らないんだ』

『お兄ちゃんに帰らないように言っておくよ。遅れそうなら、メール頂戴』

『ありがと』

莱斗さん、頑張りすぎだよ

お疲れ様でした

「凛ちゃん、手紙…届いてるよ」

居間で携帯をやっていたあたしに、アキさんが封筒を渡してくれた

差出人は、旦那だった

封を開けると、一昨日約束していた離婚届が入っていた

手紙にはここ一週間の旦那の予定が書いてあり、自分と会いたくないだろうから

いない時間に、あたしの荷物を取りに来るといいってことが書いてあった

やっと自由になれる

これであたしは、あたしらしい幸せを見つけられる