君を愛す ただ君を……

いいなぁ…佐久間さんは、莱斗さんの近くに入れて

羨ましい

テレビで見る莱斗さんは、遠い人に見えるよ

『決勝に勝つ自信は?』

『もちろんあります。どの試合も、全力で戦います』

『今日は、海堂オーナーが来てましたが…お話はされましたか?』

『いえ。いらっしゃっていたんですか』

莱斗さんの横に佐山さんが通り過ぎた

その際に、佐山さんが莱斗さんに湿布を渡して、足もとのほうを指でさしていった

「わかってる」と言わんばかりに、莱斗さんが佐山さんに頷いた

『最後に今日の勝利を、誰に報告されますか?』

『秘密です』

莱斗さんがにっこりと笑うと、テレビに背中を向けて歩き出した

『あ、海堂オーナーが、桐沼選手に今、声をかけています!』

コートを立ち去ろうとしている莱斗さんに、首からカードを下げている大きな男の人が話しかけていた

莱斗さんが、ぺこぺこと頭をさげながら、男の人と握手をする

その瞬間、あちこちからフラッシュがたかれた

「あ、海堂選手だ」

アキさんがぼそっと呟いた

「知ってるんですか?」

「バスケの選手だったの。今はどっかのチームのオーナーだった気がする」

「へえ」

莱斗さんは、海堂オーナーと呼ばれる男の人と一言二言、言葉をかわすと離れて行った

どんな話をしたんだろう

あ…海堂オーナーって、雑誌で莱斗さんをチームに入れたいって言ってた人だ