君を愛す ただ君を……

アキさんに微笑むと、あたしはテレビの中にいる莱斗さんを見つめた

あたし、頑張ったよ

莱斗さん、幸せになりたいって思ったの

強く、自分が幸せだと思う世界にいきたいって…

だから、旦那の暴力にも耐えられた

怖かったし、何度も痛い思いをするくらいなら…莱斗さんへの気持ちをなかったことにしよう…って思った

だけど、怪我をしても痛くないふりをして歩く莱斗さんを思い出したら、頑張らなくちゃって気持ちになれた

今までの自分じゃいけないって

頑張れば、幸せになれる

莱斗さんと一緒に幸せになりたいって

次に会えるときは、笑顔で会いたいよ

テレビ画面の中にいる莱斗さんにあたしは心の中で呟いた

「あ…勝ったね」

アキさんが、試合終了のブザーが聞こえると煎餅を口の中に放り込んだ

「明後日が決勝です」

「え? まだ戦うの?」

「はい。明後日で終わりです」

「そっか…大学生も大変だぁ。せっかくの夏休みなのに、海でぱあっと騒ぎたいだろうにねえ」

アキさんが喜びあっているバスケチームを見ながら、微笑んだ

バスケの大会会場にいるアナンサーが、マイクを持って、莱斗さんに近づいていった

流れ落ちる汗をタオルで拭いている莱斗さんはマイクを近づけられると、テレビ画面に向かってペコっと頭をさげた

『おめでとうございます。明後日はいよいよ決勝ですね』

『ありがとうございます。皆様の応援のおかげです』

莱斗さんが口を開いた

赤いジャージを羽織って、佐久間さんに差し出されたドリンクを口にした