君を愛す ただ君を……

「何、焦ってんだよ。凛がどうしたって?」

パパの肩を押して、お兄ちゃんが廊下に出てあたしを見つめた

お兄ちゃんの目が細くなる

「…んだよっ。誰にやられた? 俺が仕返ししてやる」

お兄ちゃんが大股で玄関にやってくると、靴を履いて外に出ようとする

「ちょっと、愁君が怒ってどうするのよ!」

アキさんが、外に出て行こうとするお兄ちゃんを止める

「妹に乱暴したヤツは許さねえ」

「馬鹿じゃないの? 誰がやったかなんて一目瞭然でしょ。こんなに怪我をしているのに、着ている服は綺麗なんだから」

何も言わなくても、アキさんはあたしを見ただけで…全てを理解してくれてたんだ

それで…『辛かったね』って言ってくれた

お兄ちゃんが眉間にしわを寄せると、「くそっ」と壁を殴った

「まずは手当てをしよ? きちんと検査もしたほうがいいから、病院に行こう」

あたしはアキさんの言葉に頷いた

「愁君と陽菜ちゃんも病院来て。凛ちゃんの手当てをして。愁平さんは、家に居て」

「な…なんで?」

パパが驚いた声をあげた

「冷静に対処できそうにないから。それに凛ちゃんの旦那に一喝するっていう大事な仕事があるでしょ? 父親なんだから」

「あ…ああ」

「絶対に凛ちゃんには会わせないって言ってやってよ。女に暴力をふるう男は、改心なんてしないんだから」

アキさんの声が低くなった

「わかった」

パパが頷くと、寂しそうな顔をした