君を愛す ただ君を……

『今日の試合は、民放で放映されるって』

準決勝と決勝は、テレビ中継が入るらしい

莱斗さんからのメールを見て、あたしはさっそく録画の予約をした

DVDにもオトすつもりでいる

こんなふうに誰かを追いかけるって初めて

ドキドキわくわくするね

芸能人のおっかけをする人の気持ちがよくわかる

あたしも…莱斗さんのファンだ

一度、好きっていう気持ちが解放されると…とめどなくその気持ちが溢れ出てくる

好き過ぎて何も考えられない

莱斗さん以外の人が目に入らない

みんな、石ころみたいに見えちゃうの

どの人も、莱斗さんを輝かせるための脇役になってしまう

ソファに座って、録画予約の画面を眺めていると、玄関のカギが開く音がした

もう…帰ってきた

あたしは部屋の時計に目を移動させた

みーちゃんとは別れたらしい

別れたのか…あたしにバレたから会うのを控えているのか

それは本人にしかわからないから、知らないけど

旦那いわく、彼女とは別れたらしい

浮気はしない…だから別れたくない

そう駄々をこねられ、土下座までされた

ホテルのエレベータの前で

恥ずかしくて、許す気もなかったけど…口から出た言葉は「もういいから」だった

その言葉をどう捉えたのか、知らないけど…旦那は『旦那』らしくなった