君を愛す ただ君を……

試合は、莱斗さんの大学の圧勝だった

凄い

スポーツの試合を見て、こんなにドキドキしたのは初めて

テレビで見ても、すぐにチャンネルを変えてた

興味もなかったし、何が面白いのかもわからなかった

今も試合自体に興味はないけれど…莱斗さんがいる…それだけで、胸が熱くなり、興奮した

「桐沼選手の学校は13番ゲートから外に出てくるって」
「早くしないと、良い場所、取られちゃうよ」
「莱斗…握手してくれるかなあ」

試合が終わるなり、席に座っていた女性たちが立ち上がり、外に向かって走り出した

皆、莱斗さんの名前を呟いている

凄い…莱斗さんって人気があるんだ

そうだよね

あれだけバスケができて、顔も格好良ければ、いくら大学生でもファンくらいいるよね

雑誌に載るくらいの人だもん

外に出ようとしている女性とあたしは肩をぶつけた

ぶつかった女性の荷物があたしの足元に落ちた

その荷物の合間から、莱斗さんの写真が数枚ほど垣間見えた

試合中に撮られた写真を、お金を出して買ったみたいな感じの写真だ

あたしは女性の荷物を拾うと、「どうぞ」と差し出した

「すみません」

女性が荷物を掴むと、あたしに背を向けてまた走りだした

莱斗さんって、凄い人なんだね

女性に人気のある人で、バスケの才能があって……どうして、あたしと付き合いたいって思ったのだろう

結婚してなくて、魅力的な女性なんて、この会場に何人もいるよ?