君を愛す ただ君を……

私は先生の寝室に入ると、洗いたてのシーツをベッドに掛け始める

先生は、洋服箪笥の前に立って、着々と寝る準備を始めた

「愁一郎は駄目だよ」

先生が小さな声で呟いた

「え?」

私は先生の言葉をよく聞き取れずに振り返った

「愁一郎を好きになったら、駄目だよ。あの子には、好きな人がいるから」

私は「ぷっ」と笑うと、首を左右に振った

「大丈夫ですよ。愁一郎君は、ただ私をカラかって遊んでるだけですから」

「アキちゃん、本当に愁一郎には…」

「先生も心配症ですね。愁一郎君と私は10歳も年が離れているのに。何かがあるわけないでしょ?」

私はくすくすと笑いながら、ベッドメイキングの続きを始めた

「男の人って、基本的に若い女性が好きだと思うんですよね。愁一郎君から見れば、私はオバサンだから。そういう対象には入らないと思います」

先生は、返事もせずに箪笥を閉めると、奥さんが使っていたシングルのベッドに腰を下ろした

今はシーツも布団も置いてないそのシングルベットの上で、先生はじっと座って布団の用意ができるのを待っていた

「先生? どうしたんですか? 愁一郎君が来てから、先生、ずっと無口です」

先生は、顔をあげると私をじっと見つめてくる

「もしかして、私って…邪魔でしたか? 料理が作れるわけでもないのに、夜までいたのが家族団らんの邪魔をしてましたよね? すみません…明日はもっと気を使います」

私は先生にぺこっと頭を下げた

「違う…と思う」

「え?」