先生のところで家政婦を始めて、2カ月を過ぎたころ……やっと先生以外の家族の人が家に帰ってきた
大きな旅行鞄をさげて、先生の息子である愁一郎君が帰省してきた
大学の夏休みを利用して、帰省したらしい
「なんだ…親父一人で寂しがってると思って帰ってきたけど。もう彼女がいるんだ」
愁一郎君が玄関の門を開けると、庭仕事をしている私を見てそう言い放った
「あ、愁一郎君でしょ! 私、君が小さいころを知ってるよ。先生の奥さんと一緒にお弁当、食べてたっ」
こんなに大きくなってたんだね
うわあ…身長も高くて、顔も先生に似て、格好良いね
「あ?」
愁一郎君が、眉間にしわを寄せて、怪しむような目で私を見てきた
「あ…自己紹介が遅れました。私は、南 亜姫です。ここで家政婦をしてます。15年前に先生にお世話になったの。それでね…今もお世話になりっ放しです。行くあてのない私に仕事をくれて、アパートまでお世話してもらっちゃって」
私は、愁一郎君にぺこっと頭を下げた
「親父は?」
「居間で、愁一郎君が来るのを待ってると思いますよ。部屋も涼しくなってますので、どうぞゆっくりしていってください」
「アキさんは、部屋に入らないの? 暑くないの?」
愁一郎君が不思議そうな顔をした
「すっごい暑いです! もう、死にそう。でも庭の手入れはしないと。先生の奥さんが大切にしてた場所ですから…」
「お袋を知ってるの?」
「いいえ。知りません。だけど、奥さんが手入れをした庭を見る先生の目が嬉しそうだから」
愁一郎君が眉をひそめて、首を傾げた
「え? でもこの庭の手入れはアキさんがしてるんでしょ? 親父が嬉しそうに見るのって……」
「ここに、奥さんの想い出が詰まってるんだと思います」
「あ、そう…。なんか納得いかないけど…ま、いいや」
愁一郎君が私に背を向けると、玄関に向かって歩き出した
大きな旅行鞄をさげて、先生の息子である愁一郎君が帰省してきた
大学の夏休みを利用して、帰省したらしい
「なんだ…親父一人で寂しがってると思って帰ってきたけど。もう彼女がいるんだ」
愁一郎君が玄関の門を開けると、庭仕事をしている私を見てそう言い放った
「あ、愁一郎君でしょ! 私、君が小さいころを知ってるよ。先生の奥さんと一緒にお弁当、食べてたっ」
こんなに大きくなってたんだね
うわあ…身長も高くて、顔も先生に似て、格好良いね
「あ?」
愁一郎君が、眉間にしわを寄せて、怪しむような目で私を見てきた
「あ…自己紹介が遅れました。私は、南 亜姫です。ここで家政婦をしてます。15年前に先生にお世話になったの。それでね…今もお世話になりっ放しです。行くあてのない私に仕事をくれて、アパートまでお世話してもらっちゃって」
私は、愁一郎君にぺこっと頭を下げた
「親父は?」
「居間で、愁一郎君が来るのを待ってると思いますよ。部屋も涼しくなってますので、どうぞゆっくりしていってください」
「アキさんは、部屋に入らないの? 暑くないの?」
愁一郎君が不思議そうな顔をした
「すっごい暑いです! もう、死にそう。でも庭の手入れはしないと。先生の奥さんが大切にしてた場所ですから…」
「お袋を知ってるの?」
「いいえ。知りません。だけど、奥さんが手入れをした庭を見る先生の目が嬉しそうだから」
愁一郎君が眉をひそめて、首を傾げた
「え? でもこの庭の手入れはアキさんがしてるんでしょ? 親父が嬉しそうに見るのって……」
「ここに、奥さんの想い出が詰まってるんだと思います」
「あ、そう…。なんか納得いかないけど…ま、いいや」
愁一郎君が私に背を向けると、玄関に向かって歩き出した


