君を愛す ただ君を……

「先生、私を雇いません? 家政婦として。先生の家の庭、すごく綺麗だったんですよ。奥さんが懇切丁寧にお世話をしてて、その庭がどんどんと荒んでいくのを見てるのはちょっと辛いかなって。料理以外なら、何でもやりますから」

「料理以外?」

先生が、首を傾げた

「料理は苦手なんです。やったことがないっていうのもあるのかもしれないんですけど…」

先生が窓から見える自分の家に目をやった

「本当だ。随分と荒れてるね」

「でしょ?」

「じゃあ、お願いしようかな。僕は家のことは何もできないから」

「バイト代は、ここのアパートの家賃+7万でどうです?」

「住み込みでいいのに」

先生が不思議そうに顔を傾げた

「あの家は先生と奥さんの家です。邪魔はしません」

「使ってない部屋はいくつもあるよ?」

「私なりのケジメです」

私は先生に笑顔を見せた

じゃないと…私が先生を襲ってしまいそうで…

先生は気付いてないでしょ?

私が、先生を好きなこと

先生は奥さんが好きなんだから、間違ったことはしちゃいけないと思う

先生が愛した奥さんが、必死に守ってきた家を、私は汚したくないよ