君を愛す ただ君を……

朝の5時半にバイトを終えて帰ってきた私は、アパートの部屋の明かりに驚いた

あれ? 電気、消して出かけていったよね?

…って、私が出かけるときはまだ外が明るいから部屋の電気はつけないはずだけど

なんで、明かりがついてるのだろう

私はドアノブを捻ると、ゆっくりとドアを開けた

玄関には、男物の黒い革靴が私のサンダルと並んでいた

え? 先生が来てるの?

ガタっという音に顔をあげると、ネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンを一つ外してラフな格好になっている先生が少し怖い顔で立っていた

「こんな時間まで何をしてたの?」

声のトーンを押さえて私に質問をしているけど、凄く怒ってるみたいだ

「私はバイトです。終わって帰って来たんですけど、どうして先生がここにいるんですか?」

私がアパートを使うようになってからだと思うけど、夜は絶対に来なかった

昼間…少しの休憩時間にちょっと寝に来るとか…話に来るだけだったのに

「夜のバイトはしないって…」

「チェーン店の飲み屋で、夜から閉店までホールのバイトをしてます。先生と約束した通り、お水系の仕事はもうしてませんよ」

私は靴を脱いで、家にあがった

先生はほっと息をつくと、へなへなとその場に力尽きて座り込んだ

「え? ちょ…先生?」

「仕事の帰りに、甘いモノでもって思って……」

先生がテーブルの上に置いてあるケーキ屋の箱に目をやった

「なのに、全然帰ってこないから。てっきり、夜の仕事をしてるのかと…」

心配してくれたんだ