君を愛す ただ君を……

先生は一人なりたくて……静かに寝られる場所が欲しくて、アパートを借りたって言ってたけど…本当はゆっくりと家族の日常を見たかっただけじゃないのかな?

なんてアパートの窓から見える先生の大きな邸宅を見つめた

この部屋からだと、先生の家の庭が良く見える

そして、奥さんが家事をしている姿や庭のお手入れをしている姿もよくわかる

きっと一人で、先生は奥さんをそっと見てたんだ

近くにいると喧嘩になってしまうから

奥さんを不本意で怒らせてしまうから

そっと…遠くで奥さんを見て、愛してたんだ

「悪循環な人たちだ」

私は窓から見える奥さんと先生を眺めていた

今朝も玄関と2階のベランダで大げんか中だ

二階の寝室から、電気スタンドと分厚い本が降ってくる

先生が身体に当たらないように避けながらも、落ちてきた物品たちに目を丸くしているのが見えた

私は肩を揺らして失笑した

「駄目…おかしっ」

私はお腹を抱えると、床をバシバシと叩いた

あの夫婦は面白い

毎日、いろんなモノが2階から降ってくる

先生が玄関を出てから、スムーズに門に歩いて行ったためしがない

玄関先で口喧嘩をするか

2階からモノが降ってくるか

何かしら珍事件を起こしてから、出勤していく

時間にして5分から10分

毎日の楽しみだ

一番、笑えたのは先生の愛車に落書きしてあったときの、先生の反応だ