君を愛す ただ君を……

「本当は、愛人がいるんでしょ? お金を持ってる人って、どんな不細工でもモテるし。先生は格好良いから、浮気してないって言ったほうが嘘っぽく聞こえる」

越智先生はがっくりと肩を落とすと、悲しそうな目をした

「信用されてないなあ。ほんとに浮気してないのに」

「一般論ですよ。私が生きてきた世界が、そういうのが普通だったから。お金を持っている人は、綺麗な女性に貢ぎたがるし、囲いたがる」

「アキちゃんは、どんな世界にいたの? こんな可愛い顔して、厳しいことを言うね」

私はニッと笑うと、お酒を割るジェスチャーをして見せた

「私みたいなのが、働ける場所って…数少ないですから」

「仕事は辞めたの?」

「まあ。住んでいた場所も出てきたので、これからどうしようかな?って思ってるところです」

「そっか。じゃあ、次の場所が見つかるまで、僕のアパートを使っていいよ」

「え?」

私は目を丸くした

「だって行くところがないんでしょ?」

「ないですけど…」

「じゃあ、使いなよ。次の仕事は、夜の仕事じゃないのがいいよね」

越智先生がにこっと笑って、スーツのポケットから鍵を出した

「お金も。僕は受け取らないから、自由に使いなよ」

「え? それは困ります。受け取ってください」

「そう言われても、僕も困るよ。あっ…じゃあ、二人で使おう」

「は?」

「二人で使えば、怖くないってね」

「何が? …って、そういうことをしてるから奥さんに、浮気されてるんじゃないかって思われるんですよ」

越智先生が苦笑した

「もうっ」と私は頬を膨らませたけど、悪い気はしなかった

正直、すごく嬉しかった