「楽しくないだろ。なあ、陽菜。聞けよ…てか、信じろって」

「焦ってるのは愁一郎だけだよ? あたし、責めてないし。怒ってないよ。ただ浮気をするなら、絶対にあたしにわからないようにしてね」

「ちょ…だから、浮気してねえってば」

「知ってるよ。手紙、開封してなかったもん」

あたしは足と止めると、愁一郎に笑顔を見せた

愁一郎はほっと息をついてから、大きな欠伸をした

「眠いなら、家で寝てればいいのに」

「嫌だ。絶対に行く」

愁一郎は、愛菜の頬にキスをした

「ねえ、愁一郎。実はね……」

あたしは言葉を一度区切って、愁一郎の視線がこっちを向くのを待った

「どうした?」

愁一郎が、不思議そうな顔をしてあたしを見つめる

「もう一人、デキたみたい」

あたしは、お腹に手をあてると愁一郎に微笑んだ

愁一郎も嬉しそうに口元を緩める

「愛菜…お姉ちゃんになるらしいぞ」

「だぁ?」

愁一郎、来年は家族4人で楽しく過ごそうね





『君を愛す ただ君を…』
       終わり



このあと、短編集を予定しています♪