「ふざけっ…!おまっ…忘れてやがったのか!?」
「一週間も前の話じゃん。忘れるよ」
「お前軽くじじくせぇぞ…」
「んで?そん時の電話がなんだっつーんだ」


悪いなどとはさらさら思ってねぇけど
正直何が原因なのか
俺にはさっぱりわかんねぇ…


「おっ前なぁ…」
「なんだ」
「馬鹿話が面白すぎんだよ!!」




……


「高野。まともな日本語使わねぇと俺も瑞希もわかんねぇぞ」

家主がふらりとビール片手に
俺達の間を塞いだ。


「取り敢えず馬鹿にされたっぽいのはわかったよ」


意味わかんねぇ。納得出来ねぇ。

俺は首を傾げながら
置いていかれたビールのフタを開けた。


「取り敢えずお前のせいなのは確かだ」
「だーからその理由を言えっての」
「お前に電話したせいでマジウケして笑い疲れて寝ちまったんだよ!!」

……─


「…は?」
「そのせいで俺は千紗とのデイトがぁ…っ」


目の前で悔しがる高野。
俺はすっかりきょとんとして

大きな溜め息をついた。

「…アホか」
「アホ言うな馬鹿!」

なんだそりゃ。
言いがかりもいいとこじゃねぇか。


「1時間も遅刻な上に髪は寝癖だしよぉ…」
「いつもの事だろ遅刻魔」
「そーゆー時くらいって思うだろぉぉ?」