─なんつーかそん時




「─…ぃ」




フッ…と思い浮かんだんだ…─





「ぉおいっ!!バカ瑞樹!!」

専門時代の友人宅で
今し方やってきたそいつは
開口一番バカ呼ばわりしやがった。

「なんだバカ高野」

寝転んだまま俺はかったるく顔を上げ
手にしていたアイスバーを口に運ぶ。

「おっ、いーもん喰ってんな」
「一口だけならやる」
「マジか。さんきゅ」

ガリっと音を鳴らして
高野のでけぇ一口は綺麗な半円を残し


「ちょっ…おいお前─っ」

喰い始めて間もなかったそれは
半分程に減らされた。

「ふざけっ…喰い過ぎだろ!」
「ひほふひわひほふひあ(一口は一口だ)。…っつーか違ぇ!」
「何がだよくそー…俺のアイス…」
「ぅおっ!!キーンときた!!」

ったくこいつ…
人の話を聞けっつー…

「じゃねぇよ!!俺が!言いたいのは!!」
「なんで俺が高野に馬鹿呼ばわりされなきゃいけない」
「それだ!おっ前折角人が千紗とのデートこじつけたっつーのに!前日に限って電話してきやがってよぉ…」


目の前で悔しそうに床を叩く高野。
俺は何の事だ…なんて明後日な事を考えながら
残りのアイスバーを平らげ


「…あぁ~…あん時のか!」

と、指を鳴らした。