前触れもなく
ふっ…とそんな予感がした。

突然の雨。そして、雷。
ばたばたと音を立て夏の夜を叩くそれに
ソファにいた私は思わず立ち上がり
外を隔てるカーテンをシャッと開ける。

少し白むその向こうでは天気予報にもなかったせいで
頭を覆う人が時折走り去り、
流れる様に過ぎていった。
きっと家路を急いでいるのだろう。

早めに帰って来て良かったな…
もう一区切り待っていたら
こうして他人事の様に見てなんかいられなかった。

雷が一瞬激しく光っては遠くで雷鳴を轟かせる。

明日まで続くのかな…

なんとなく気になって
よくわからないバラエティー番組をニュースに切り替える為
カーテンを再び閉めた



…瞬間




ピ─ンポ──ン…




玄関のチャイムが鳴り響いた。


来客の予定はないし。
何かが届く訳でもない。

だけどさっきの予感は
当たってると思う。

私はインターホンを見る事もなく
玄関へと走りドアを開けた。



「…よっ」



…ほら。
やっぱり。