授業中・・・

ひかるは全然頭に入ってなかった。

(これが恋なのか・・・。)

胸の鼓動が増していく。

顔が熱い。

頭の中は・・・あのときの記憶でいっぱいだ。

結局、授業の内容が入らないまま6時限目が終わってしまった。

帰り支度をしていると、三浦潤が帰ろうとしていた。

「まっまて!」

三浦潤はチラッとこっちを見たが行ってしまった。

「校門の前で待っているぞ!!ずっと待っているからな!!」

三浦潤の姿は消えていった。

「急がなくては。」

ひかるは急いで下駄箱に向かった。

「ひかりんまってぇ。一緒に帰ろうよぉ。」

凛がこっちに走ってくる。

「すまん。今日は忙しい先に帰ってくれ。」

「そうなの・・・。分かった。ばいばぁい。」

凛は帰っていった。

ひかるは急いで校門へ向かった。

「すまん!遅く・・・なっ・・・た・・・。」

そこに三浦潤の姿はなかった。

??

(まだ来てないのか?もう少し待つか。)

辺りを見回すと学園の生徒が次々と帰っていく。

あの時の感覚がよみがえってくる。

大きな肩。

すべてを包み込む大きな腕。

あなたの優しい香り。

なにもかもが新鮮だった。

(おそいな。)

もうすでに10分が経過していた。

「ぁ・・・。雨。」

灰色の雲から大粒の雨が降ってきた。