私の褒め言葉に気を良くしたのか、雅巳の母親はそれ以上、その話題に触れて来ないかのように思えた。私はほっと胸をなで下ろし、その反面で、助け舟を出してくれなかった雅巳に不満を募らせた。
雅巳はそんな私の気持ちを知ってか知らずか、テーブルの上の茶碗や皿を流しに運んで洗い始めている。雅巳の母親はテレビを見ているし、居場所のない私は、雅巳に「雅巳の部屋で待っているね」と一言だけ言葉をかけて雅巳の部屋に引き上げた。
これ以上、雅巳の母親と一緒にいたら私の心の中をすべて曝け出してしまいそうな気がして、私は逃げずにはいられなかったのだ。
その夜、私達は何年か振りに一つの部屋に布団を並べて眠った。
雅巳の母親が用意してくれたお客さん用のフカフカな布団は清潔なシーツから漂う洗濯したての匂いがした。
「雅巳、もう寝ちゃった?」
暗闇の中で雅巳に声をかけると「まだ」という返事が戻ってきた。
雅巳もいろいろ考えて眠れないでいるんだろう。
それは私も同じで、どうしても雅巳の中にいる赤ちゃんについて考えずに入られなかった。
雅巳のお腹は決して目立っていはいない。
雅巳はそんな私の気持ちを知ってか知らずか、テーブルの上の茶碗や皿を流しに運んで洗い始めている。雅巳の母親はテレビを見ているし、居場所のない私は、雅巳に「雅巳の部屋で待っているね」と一言だけ言葉をかけて雅巳の部屋に引き上げた。
これ以上、雅巳の母親と一緒にいたら私の心の中をすべて曝け出してしまいそうな気がして、私は逃げずにはいられなかったのだ。
その夜、私達は何年か振りに一つの部屋に布団を並べて眠った。
雅巳の母親が用意してくれたお客さん用のフカフカな布団は清潔なシーツから漂う洗濯したての匂いがした。
「雅巳、もう寝ちゃった?」
暗闇の中で雅巳に声をかけると「まだ」という返事が戻ってきた。
雅巳もいろいろ考えて眠れないでいるんだろう。
それは私も同じで、どうしても雅巳の中にいる赤ちゃんについて考えずに入られなかった。
雅巳のお腹は決して目立っていはいない。



