その日は、雅巳を一人にするのが不安で、雅巳の家に泊まりこむ事にした。
家族に電話しながら、これではいつもと立場が逆だな、と思いながら、雅巳と対等になった事が嬉しいと思っている自分がいる。雅巳はまだ母親にも話していないと言った。
雅巳の母親には加藤君と話し合って、加藤君が産んでいいと言ったら話すつもりらしかった。
あの加藤君の事だ。雅巳に赤ちゃんが出来たと知ったら間違いなく大喜
びだろう。確かに、両親への説明など大変なことの山積みではあるが、私には加藤君が絶対に雅巳を傷つけたりしない、そんな確信があった。
そんな事よりも今の私の不安は、雅巳のお母さんの事である。
何せ、雅巳の母親はとても勘が鋭い。今だって口に出していないだけで、雅巳の妊娠に気付いているかもしれない。
それよりも、私や雅巳の態度で感じとってしまうのではないだろうか?とビクビクものである。
そんな事を思いながら、私は雅巳とそっくりな美貌のお母さんの表情を横目でチラリと見る。
雅巳の母親はそんな私の思いなんてお構いなしに、ナスの味噌汁の入った汁椀に口をつけていた。
今日は雅巳が食事の当番だった。
その日は、雅巳を一人にするのが不安で、雅巳の家に泊まりこむ事にした。
家族に電話しながら、これではいつもと立場が逆だな、と思いながら、雅巳と対等になった事が嬉しいと思っている自分がいる。雅巳はまだ母親にも話していないと言った。
雅巳の母親には加藤君と話し合って、加藤君が産んでいいと言ったら話すつもりらしかった。
あの加藤君の事だ。雅巳に赤ちゃんが出来たと知ったら間違いなく大喜
びだろう。確かに、両親への説明など大変なことの山積みではあるが、私には加藤君が絶対に雅巳を傷つけたりしない、そんな確信があった。
そんな事よりも今の私の不安は、雅巳のお母さんの事である。
何せ、雅巳の母親はとても勘が鋭い。今だって口に出していないだけで、雅巳の妊娠に気付いているかもしれない。
それよりも、私や雅巳の態度で感じとってしまうのではないだろうか?とビクビクものである。
そんな事を思いながら、私は雅巳とそっくりな美貌のお母さんの表情を横目でチラリと見る。
雅巳の母親はそんな私の思いなんてお構いなしに、ナスの味噌汁の入った汁椀に口をつけていた。
今日は雅巳が食事の当番だった。



