本当はこんな事、言いたくない、とその表情が語っている。
「……」
雅巳は私の加藤君への気持ちを気付いているのだろうか?
私は雅巳を探るように見て心の中で頭を振った。
たとえ、私の気持ちが分かっていたとしても、それは雅巳に認めちゃいけない。私は決めたのだ。雅巳と加藤君が幸せになるのを見守っていこうと。
もう加藤君と一緒にいたいとか、変な欲を出すのはやめる。
私の大切な人が二人で幸せになってくれれば、私も幸せ。
雅巳に会いにくる前にそう決心して雅巳に会いに来た。
「良枝にだって私に言えない事があるんでしょ?」
私を追い詰めるように、静かに問い掛けてくる雅巳に私は首を振った。
「ないわ。私が雅巳に隠している事なんてあるわけないじゃない。それに、もし雅巳が何か誤解して、私に何も言ってくれないなら、それはとても寂しい事だわ」
「誤解?」
「そう誤解よ。私が何も言わないって事はそんな事実、何もないのよ」
雅巳は暗い表情でじっと私を見たまま、口を開かなかった。本当は私の言った『そんな事実』について話し合いたいに違いない。しかし、それを私はすべて否定する事でその事実を消そうとしている。
「……」
雅巳は私の加藤君への気持ちを気付いているのだろうか?
私は雅巳を探るように見て心の中で頭を振った。
たとえ、私の気持ちが分かっていたとしても、それは雅巳に認めちゃいけない。私は決めたのだ。雅巳と加藤君が幸せになるのを見守っていこうと。
もう加藤君と一緒にいたいとか、変な欲を出すのはやめる。
私の大切な人が二人で幸せになってくれれば、私も幸せ。
雅巳に会いにくる前にそう決心して雅巳に会いに来た。
「良枝にだって私に言えない事があるんでしょ?」
私を追い詰めるように、静かに問い掛けてくる雅巳に私は首を振った。
「ないわ。私が雅巳に隠している事なんてあるわけないじゃない。それに、もし雅巳が何か誤解して、私に何も言ってくれないなら、それはとても寂しい事だわ」
「誤解?」
「そう誤解よ。私が何も言わないって事はそんな事実、何もないのよ」
雅巳は暗い表情でじっと私を見たまま、口を開かなかった。本当は私の言った『そんな事実』について話し合いたいに違いない。しかし、それを私はすべて否定する事でその事実を消そうとしている。



