「ちひろさま、笠原さま、芳川さま!こちらがうちのお兄ちゃんです!」

愛奈は、自分の兄を紹介するのに精一杯なのか、俺たちのことは忘れてしまっているらしい。

「・・・と、その友達でーす・・・」

と、後ろのほうで控え目に啓太が言った。ちひろたちは、まだ俺たちに気が付いていないようだった。でも一応、俺と尚登も、啓太に合わせて頷いてみた・・・。