「ずっと・・・ずっと前から、好きだった。はじめて電車で見かけたときから・・・・」 ちひろは、腕の中で身じろぎし、ちょっと体を離した。 そして、俺の顔を見上げて、まっすぐ目を見つめて、 「・・・ホント・・・?」 と聞いた。 俺も、ちひろの瞳を、ハシバミ色の瞳をまっすぐに見つめて言った。 「ホント。ずっと好きだったんだ。」