スタバに着いたら、陸はもう店にいた。

かなり前に着いたのか、奥にあるソファに深く座り、長い足を組んで本を読んでいた。そして、ふと顔を上げると私を見つけ、軽く手を上げ、

…笑った。

ドキン…!

陸と目が合った時、心臓が跳ね上がったのが分かった。

な、何で私いま、ドキンとしたの?

この時、何故か弥佳の言葉を思い出した。

「自分の気持ちを、よーく考えること!」

私の気持ち…?私、もしかして、陸くんのこと…?

しばらく呆然と立っていたんだと思う。陸が心配そうな顔で近付いてきた。

「ちい…ちゃん?大丈夫?」

気がついたら、顔を覗き込まれていた。

ち、近い!

「だ、大丈夫!私、飲み物買ってくるね!」

逃げるようにレジに向かった。