キサラギは、その男に目もくれず、3人目へと視線を投げる。


「…あなたで最後ですよ?どうしますか?」


それは、簡単に言って、挑発。


「どうするって……こうするしかねぇよなぁ!」


最後の3人目が、ふところからナイフを取り出し、下品な笑い声を上げる。

ナイフをキサラギへと向け、猛突進してくる男。

キサラギは小さくため息をつき、


「……困った人ですね」


言って、突進してくる男を、呆れたような瞳で眺める。

どうして避けようとしないのか。

それは、刺してくれと言っているようなもの。

男は高らかな笑い声を上げ、キサラギのふところにナイフを突き立て――……




「……武器を使うのは、反則なんですよ?と、仲間の方にお伝え下さい。





――刑務所から出てきた後で、ね」






……――刹那。