「言ってくれるじゃねぇか!いいぜ!かかってこいよ!」


叫んだ男は、歩みを止めようとしないキサラギに向けて、引き金を引く……

……よりも早く、キサラギの右足が動いた。

その長い足が、銃を男の手から蹴り飛ばす。

宙を舞う拳銃。


「い゛っ…!?」


一瞬唖然と手の中を見つめた男、その頭上から、キサラギの足が振り下ろされる。


「ごっ…!?」


脳天に直撃したかかと。

男は崩れるように膝をつき、倒れ伏せた。

しなやかに半円を描いたキサラギの足がゆっくりと地に着く。


そこへ2人目。

その男は銃を持っておらず、拳を握りしめて突進。

けれどそれは、キサラギが軽く身をひるがえしただけで終了。

勢いあまって前のめりになる男に、避けた状態のまま居たキサラギの膝蹴りが。

みぞおちに直撃したのか、男は「がっはっ…!?」と唸り声を上げる。

倒れるその背中に、キサラギは容赦なく靴底を落とす。

背中を押され、地面にぶつかる形で、男は這いつくばった。